アメリカ鉱物学会のRoebling Medal受賞者に入舩徹男PIAS院長が決定
愛媛大学先端研究院(PIAS)・地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)の入舩徹男教授・先端研究院長に、アメリカ鉱物学会(Mineralogical Society of America, MSA)の最高賞であるローブリング・メダル(Roebling Medal)が授与されることが決まりました。
アメリカ鉱物学会(MSA)は、1919年にアメリカで設立された、鉱物学や結晶学、地球化学、岩石学などの学術分野の学会で、アメリカのみならず世界各国から多くの研究者が参画しています。
Roebling MedalはMSAの最高賞であり、上記及び関連分野における卓越研究に対して贈られるもので、 1937 年から毎年一人が受賞しています。日本人としては、1968年受賞の伊藤貞一氏、1999 年受賞の久城育夫氏(いずれも東大名誉教授・日本学士院会員)に続く3人目です。またこれまでの受賞者の中には、William Lawrence Bragg氏(1948年受賞:1915年物理学賞)、Linus Pauling氏(1967年受賞:1954年化学賞・1962年平和賞)の2名のノーベル賞受賞者も含まれています。
今回の受賞は、入舩教授の、1)超高圧下における地球のマントルとプレートを構成する鉱物の相転移・密度変化とマントルのダイナミクス、2)放射光X線その場観察による鉱物物性精密測定とマントル中の地震学的不連続面の成因解明、3)超高圧下でのナノ多結晶ダイヤモンド及び透明ナノセラミックスの合成と応用、が対象となった研究業績であり、これらの鉱物科学分野における卓越性が評価されたものです。 メダルの授与式ならびに受賞講演は、アメリカのデンバーにて2026 年10月に開催されるアメリカ地質学会にて行われる予定です。
入舩教授は2023年に国際鉱物学連合(IMA)の最高賞であるIMAメダルの受賞者にも選ばれており、同じく2026年8月に中国の南京にて開催される国際鉱物学会で、メダルの授与式ならびに受賞講演が予定されています。鉱物学分野の著名な国際賞である両賞を受賞するのは、カーネギー研究所のRobert M. Hazen氏、ソルボンヌ大学のGeorges Calas氏に続いて世界で3人目、日本人としては初めてです。
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関連HP:アメリカ鉱物学会(MSA)ローブリング・メダル

12月3日に行われた記者説明会の様子