第5回PIASセミナーを開催します
先端研究院(PIAS)では、先端研究院の最新研究成果を学内外に紹介し、愛媛大学内の共同研究や学外産学連携、自治体連携の契機作り、また、学外一般へのアウトリーチを目的とした、PIASセミナーを開催しています。
本セミナーは、研究者以外の方にも分かりやすく説明することを心がけています。どなたさまも、ぜひお気軽にご参加ください。
2025年10月7日(火) 16:00 – 16:30
ZOOMを用いたオンラインセミナー
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志達 めぐみ 准教授
宇宙進化研究研究センター
天の川銀河内の恒星質量ブラックホールのダイナミックな活動
~X線分光撮像衛星XRISMによる精密観測~
愛媛大学の志達めぐみ准教授らの研究グループは、我が国のJAXAが中心となって開発し 2023年に打ち上げられた X 線分光撮像衛星 XRISM(クリズム)による、私たちの住む天の川銀河にあるブラックホールX線連星4U 1630-472の観測結果を発表しました。
この天体は、太陽の数倍〜10倍程度の質量を持つブラックホールと普通の恒星からなる連星系で、ある時期にのみX線で非常に明るく輝き活発に活動します。XRISMの観測は4U1630-472の活動期の終わり際に行われ、これまでの観測史上、最もX線で暗い状態で、光電離したガスによる吸収線を検出することに成功しました。これは、高い性能を持つXRISMだからこそ達成することができた成果です。今回の観測の結果、ブラックホール周囲の降着円盤を取り巻く高電離ガスの分布や運動の様子が明らかになりました。X線放射が弱まった状態でも、高電離の吸収線が存在することを示すこの成果は、ブラックホールの活動の理解において重要な手がかりとなります。
本研究成果は、2025年7月17日で天文学分野の主要国際誌 ”The Astrophysical Journal Letters”に掲載されました。
愛媛大学 先端研究院 先端研究高度支援
E-mail: pias_adm -at- stu.ehime-u.ac.jp