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イベント

第9回PIASセミナーを開催します

先端研究院(PIAS)では、先端研究院の最新研究成果を学内外に紹介し、愛媛大学内の共同研究や学外産学連携、自治体連携の契機作り、また、学外一般へのアウトリーチを目的とした、PIASセミナーを開催しています。
本セミナーは、研究者以外の方にも分かりやすく説明することを心がけています。どなたさまも、ぜひお気軽にご参加ください。

日時

2025年12月8日(月) 16:00 – 16:30

場所

ZOOMを用いたオンラインセミナー

参加方法

学内の方:EU_BBSのご案内メールにログイン情報が記載されております。
学外の方:以下参加登録フォームよりお申し込みください。折り返しログイン方法をお知らせします。

講演者

松岡良樹 准教授
宇宙進化研究センター

タイトル

すばる × ジェイムズ・ウェッブ
~最強タッグが暴く、塵のベールに隠された初期宇宙の巨大ブラックホール~

要旨

ビッグバンから138億年たった現在の宇宙では、ほぼすべての銀河の中心に巨大なブラックホールが宿ることが知られています。それらがどうして誕生したのかを解明するため、これまで初期宇宙(ビッグバンから10億年未満)で活発な探査がおこなわれてきました。愛媛大学先端研究院宇宙進化研究センターの松岡良樹准教授らによる研究チームは、今回、すばる望遠鏡の広域探査で見つけた初期宇宙の最高光度の銀河11個をターゲットとして、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による超高感度観測をおこないました。その結果、うち7個の銀河の中に、塵に隠れて潜む巨大ブラックホールを発見することに成功しました。ブラックホールは物質を飲み込みながら輝く「クェーサー」と呼ばれる天体になっており、従来見逃されてきたこれほど明るいクェーサーが初期宇宙で発見されるのは世界で初めてです。今回の結果から、初期宇宙に存在する明るいクェーサーの数は、これまで考えられてきたより2倍以上であることが明らかになりました。
研究チームでは、これらの最高光度銀河に巨大ブラックホールが潜む可能性を10年近くにわたって想い続けてきましたが、確定することができませんでした。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の登場によって遂にその謎を解くチャンスが訪れ、実際に11個中7個という高確率で巨大ブラックホールが確認されたことは、大きな驚きでした。今後は、それら隠された巨大ブラックホールの詳しい性質を調べるとともに、さらに別の銀河でも同様のブラックホールを探す計画を進めており、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の新しい観測が来年早々から実施される予定です。

この研究成果は、2025年9月10日に、日本天文学会2025年秋季年会にて発表されました。

お問い合わせ

愛媛大学 先端研究院 先端研究高度支援
E-mail: pias_adm -at- stu.ehime-u.ac.jp

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